リーチサイトに加え、キュレーションサイトも規制すべきではないか?
文化庁は著作権法を改正し、違法な海賊版サイトへリンクを張る行為について罰則を設ける方針を固めたようです。
以前まで「リンクを張ることは違法行為ではない」というのがネット上での共通認識でしたが、法改正により、今後はリンクを張っただけで懲役5~3年の罰則を科される可能性が出てきました。
毎日新聞によると、以下のような報道がされています。
リーチサイトにリンク(URL)を張る行為は、これまで違法ではないと解釈されていたが、これを著作権の侵害行為とみなし、著作権者が掲載の差し止め請求をできるようにするほか、提供者らに対する罰則規定を設ける。
(※海賊版誘導:「リーチサイト」規制へ 運営者らに罰則 - 毎日新聞)
これだけ読めば、漫画村のようなリーチサイトにリンクしただけで逮捕されてしまうのでは?という疑問も出てきますが、これはおそらく、「リーチサイトに(へ)」ではなく、「リーチサイトに(にて)」という意味のはずです。
文化庁の資料では以下のように説明されていますが、これを見る限り、「リーチサイト」で「海賊版サイト」へのリンクを掲載した場合、リンクを掲載したユーザーとリーチサイト管理人が罰則を受ける方針かと思います。
(※参考:「リーチサイトへの対応」の検討状況について)
このリンク提供者がなぜリンクするのかは不明ですが、リーチサイトによっては投稿者に報奨金制度が用意されていたようで、利益を分配する仕組みが用意されているのだろうと思います。
ただ、Miomio等のリーチサイトは検索エンジンでもヒットしますので、リーチサイト自体へのリンクは特に問題ないものと思われます。(詳細不明)
もともとGoogleなどの検索エンジンでは、違法コンテンツのダウンロード先のURLはヒットしませんので、検索エンジン経由から海賊版サイトへはたどり着けません。
一方、検索でヒットするリーチサイトには海賊版サイトへのURLが数多く貼られており、これまでそのリンクは違法ではないと解釈されてきましたが、今回、著作権法を改正をしてこのリンクについて正式に罰則を設ける形になるようです。
ここで気になるのは、今回の法改正により、キュレーションサイトへの影響があるのかについてです。
上記の「リーチサイト運営者」と「リンク提供者」の関係は、「キュレーションサイト運営者」と「キュレーター」の関係に酷似しています。報奨金が支払われる点でもほぼ同じ仕組みかと思います。
著名なフォトグラファーのなかには、キュレーションサイトにて無断で写真を掲載されるケースもあり、ぼくも画像などが度々無断で盗用されていたことがありました。
今まで非常に腹立たしい思いをしてきたサイト運営者も多いと思いますが、リーチサイトを規制するのなら、キュレーションサイトも規制すべきではないかと感じています。
ただ、リーチサイトのような海賊版サイトへのリンクではなく、出典という形でのサイト運営者へのリンクである点で違いがあり、キュレーションサイトについても今回の法改正が適用されるのかについては微妙かもしれません。